皆さんこんにちは、ガジェットジェットのゆっけいです。
これまで当ブログでは主に4K液晶テレビに絞って、国内メーカー4社の最上位モデル比較とか各メーカーの最新モデルの紹介とかをしてきました。
ただ、視聴者の方から最上位だけではなく、低価格や中価格帯でも製品比較をして欲しいとのコメントが多くありましたので、今回は、これら要望に沿った形で特定の価格帯での液晶テレビ比較をしていきたいと思います。
その第1弾として今回は10万円から12万円までのいわゆる中価格帯モデルについての比較をしていこうと思います。
比較対象としてあげた機種は、こちらである程度厳選したおすすめできる機種となっています。
参考価格は2022年3月現在の価格ドットコムでの価格を参考にしていますので、あらかじめご了承ください。
また、今回の記事の内容は公式YouTubeでも分かりやすくまとめていますので、動画で見たい方は是非ご覧ください!
比較対象テレビの発表
それではまず、10万円から12万円の4K液晶テレビの中で今回の比較対象に選ばれた4機種を発表したいと思います。
エントリーNo.1

東芝のREGZA「55Z670K」
価格ドットコムの評価は星4.59、価格は112,979円です。
エントリーNo.2

PanasonicのVIERA「TH-49JX850」
価格ドットコムの評価は星4.07、価格は117,500円です。
エントリーNo.3

Hisenseの「65U7FG」
価格ドットコムの評価は星4.67、価格は104,725円です。
エントリーNo.4

SONYのBRAVIA「KJ-55X80J」
価格ドットコムの評価は星4.09、価格は113,850円です。
中価格帯テレビの比較
今回は、ご覧の10項目について詳細な比較を行っていきたいと思います。

①画面サイズ
比較項目の1つ目は「画面サイズ」です。
感の鋭い方はお気付きかもしれませんが、画面サイズは、それぞれの型名に入っているんですよね。
東芝の「55Z670K」は55型、Panasonicの「TH-49JX850」は49型、Hisenseの「65U7FG」は65型、SONYの「KJ-55X80J」は55型となっています。
画面サイズが1番大きいのは65型のHisense「65U7FG」、最も小さいのが49型のPanasonic「TH-49JX850」ということになります。

②パネル方式
続いては、それぞれの「パネル方式」を見ていきましょう。
液晶パネル方式にはTN方式、VA方式、IPS方式、ADS方式の4種類のパネルが存在し、それぞれの比較表はこちらになります。

TN方式は価格が安く、応答速度が速い、発光効率が高いため省電力という利点があります。ただ、視野角が狭いことから、色変化や輝度変化が大きいため、パソコンやスマホなど個人でみる画面と異なり、大人数でみるようなテレビには不向きなパネル方式です。
VA方式は液晶の遮光性が非常に優れているため、バックライトの光をほとんど通さずに締まった黒色を表現してくれます。それにより、コントラスト比が高く、映画鑑賞に向いているといえます。ただ、他の方式と比べると応答速度が遅かったり、色再現がイマイチというデメリットがあります。
IPS方式は最も高価なパネル方式で、TNとVAの弱点であった「視野角の狭さ」を大幅に改善した方式となっています。また、色再現性も高く実物に近い色を映し出すことが可能なことから、高級テレビや医療機器のモニターにも使用されている方式です。ただ、液晶の性質上、バックライトの透過率が高く、光の漏れが大きいためにコントラスト比が低く、応答速度も遅いというデメリットがあります。
ADS方式はIPS方式と液晶分子の構造や動きが全く同じであるため、特長や性能はIPS方式と何ら変わりありません。IPSパネルは日本でADSパネルは中国で開発したという理由だけで名前が違っているらしいんですよね。
各モデルのパネル方式はご覧とおりです。

SONYの「KJ-55X80J」はVAパネル、Panasonicの「TH-49JX850」はIPSパネル、Hisenseの「65U7FG」はADSパネル、東芝の「55Z670K」は非公表となっています。ここら辺のパネルについてはほんとに人それぞれ好みが分かれる部分なので、1度家電量販店等で確認することをおすすめします。
ちなみに、唯一IPSパネルを採用していたPanasonicも2021年度いっぱいでIPSパネルの生産を終了してしまうので、そういった点では国内メーカー最後のIPSパネル搭載機種として「TH-49JX850」にも価値があるのかなと個人的には思いますけどね(笑)
③バックライト方式
比較項目の3つ目は「バックライト方式」です。
液晶テレビのバックライト方式にはエッジ型と直下型の大きく分けて2つの方式が存在しますが、コントラスト比の高さや画面全体を均一な明るさに保てる点から直下型の方が優れていると言われています。

各モデルの「バックライト方式」はご覧とおりです。

全てのモデルで直下型を採用していますが、Panasonicの「TH-49JX850」のみ直下型に加えて、LEDのエリア制御機能が搭載されています。
この「LEDエリア制御機能」では、映像全体をブロックに分けてコントロールすることで明るいシーンのエリアのみLEDを点灯させ、暗いシーンのエリアはLEDを滅灯させることができます。そのため、明暗のきめ細かな描画も可能というメリットがあります。
よって「バックライト方式」に関してはPanasonicの「TH-49JX850」が最も優れてるといえますね。
④高画質化機能
続いてはそれぞれの「高画質化機能」をみていきましょう。

東芝の「55Z670K」はZR1という映像エンジンを搭載しているため、あらゆる高画質化機能に対応しているんですよね。その中でも「クラウドAI高画質テクノロジー」というAI技術を用いた高画質化機能が素晴らしく、詳細ジャンルやコンテンツごとの画質特性をクラウドから取得し視聴中のコンテンツに適切なパラメーターを用いて高画質処理を行うことで、高精細でリアルな高画質を実現してくれます。

Panasonicの「TH-49JX850」には、「オートAI画質」といった、こちらもAI技術を用いた自動画質調整機能が搭載されています。「オートAI画質」では、AIがシーンに応じて自動的に最適な画質に調整してくれるため、映画の暗いシーンでは細部までコントラスト豊かに描き、晴天のスポーツのシーンは芝生の色まで明るく色鮮やかに表現してくれるんです。
そのうえ、バックライトは比較モデルで唯一、直下型のエリア制御機能が搭載されていることから、コントラストを高めることができるため、他の機種と比べて奥行きのある映像を映し出すことが可能といえます。

Hisenseの「65U7FG」には、東芝映像ソリューションと共同開発した「NEOエンジン2021」という映像エンジンを搭載しています。正直にいうと、これといった特出した高画質化機能はないんですが、地デジ映像を4K相当の解像度にアップコンバートする「4K復元」やコントラストを際立たせて映像の立体感を強調する「テクスチャー復元」、テレビを視聴している部屋の明るさなど、視聴環境によっても色温度や明るさ、彩度などを細かく自動調整してくれる「自動画質調整」など、あらゆる高画質化機能を総合的に網羅してくれるっていう印象を受けますね。

SONYの「KJ-55X80J」には「HDR X1」というプロセッサーが搭載されています。SONYといえばアップコンバート機能が売りですが、「X80J」でも「4K X-リアリティーPro」といったアップコンバート機能が搭載されています。「4K X-リアリティーpro」では、空などの同じ色が続くエリアと街並みなどのディティールの多いエリアをエリア検出によって分割・それぞれに適した処理を行うことで、空などの同じ色が続くエリアではノイズを目立ちにくく、街並みなどのディティールの多いエリアでは線1本1本の精細感を高めるようなアップコンバートが可能となっています。
④残像低減機能
比較項目の4つ目は「残像低減機能」です。
残像低減機能は動きの激しいスポーツやエンドロールなどで残像感を抑制してくれる機能になります。
各メーカー最上位モデルになってくると当然のように搭載されている機能ですが、今回比較していく中価格帯のモデルにはしっかりと搭載しているのでしょうか?各モデルの「残像低減機能」はご覧とおりです。

東芝の「55Z670K」、Panasonicの「TH-49JX850」、Hisenseの「65U7FG」については、1秒間に60フレームで表示されているものを、その倍である120フレームで表示するための倍速機能を搭載していますが、SONYの「KJ-55X80J」には搭載していません。
よくスポーツなんかの動きが激しい映像を観る方であれば、SONYの「KJ-55X80J」は避けた方が良いかも知れませんね。
⑤高音質化機能
続いてはそれぞれの「高音質化機能」を比較していきましょう。
高音質化機能については立体音響規格のドルビーアトモスの対応状況、搭載スピーカーの数、スピーカーの実用最大出力、それぞれの特長機能の4項目で比較していきたいと思います。

まずはドルビーアトモスの対応状況ですが、東芝の「55Z670K」、Panasonicの「TH-49JX850」、SONYの「KJ-55X80J」の3モデルは対応していますが、Hisenseの「65U7FG」は対応していません。

スピーカーについては東芝の「55Z670K」は合計11個のスピーカーを搭載した60W出力、Panasonicの「TH-49JX850」は合計2個のスピーカーを搭載した30W出力、Hisenseの「65U7FG」は合計2個のスピーカーを搭載した10W出力、SONYの「KJ-55X80J」は合計2個のスピーカーを搭載した10W出力となっています。

続いて音質面の特長機能ですが、東芝の「55Z670K」、Hisenseの「65U7FG」に関しては同じ「サウンドリマスター」を搭載しています。「サウンドリマスター」は、eilex社(アイレックス)が開発した「eilex Focus」により、地デジ放送などで音声圧縮時に失われた高調波成分を復元し、圧縮前のゆたかな倍音成分をふくむ音質を再現してくれます。

Panasonicの「TH-49JX850」では、力強く、抜けの良いクリアなサウンドを実現するために、「高剛性のスピーカーボックス」を採用しているみたいですが、正直Panasonicの最上位モデルに搭載されているようなイネーブルドスピーカーや、オートAI音質なんかの独自性に富んだ機能と比較すると、あまりインパクトのある機能とはいえませんね。

SONYの「KJ-55X80J」には、テレビスピーカーの特性に左右されず、振幅特性の平滑化と位相特性の直線化を実現する「クリアフェーズテクノロジー」が搭載されており、通常のテレビスピーカーでは難しい、自然な音色と明瞭な音像定位が得られます。こちらもあまりパッとしない機能ですよね。
正直、音質に関してはスピーカーの搭載数、実用最大出力から見ても東芝の「55Z670K」が圧倒的に優れていると個人的には思います。
⑥搭載OS
比較項目の6つ目は「搭載OS」です。
最近ではNETFLIXやU-NEXTなどのネット動画配信サービスを利用する人もかなり増えてきましたよね!4K画質の映画やドラマを楽しむには必須のサービスとなってきているので、ネット動画配信サービスの動作快適性を左右するプラットフォームもかなり重要になってきます。

それぞれの搭載OSを比較したものがこちらになります。

東芝の「55Z670K」に搭載されているOSはAndroidTV、Panasonicの「TH-49JX850」に搭載されているのはfirefoxOSベースの独自OS、Hisenseの「65U7FG」に搭載されているOSはハイセンス独自のVIDAA、SONYの「KJ-55X80J」に搭載されているOSはAndroid10ベースのGoogleTVとなっています。
基本的に動画配信サービスの対応数や操作性なんかではSONYの「KJ-55X80J」に搭載されているGoogleTVが最も優れていると個人的には思います。東芝の「55Z670K」も同じAndroidOSで操作性は好評ですが、Netflixが観れなかったりと動画配信サービスの内容が限られてしまっているのが惜しい点ですね。PanasonicのfirefoxOSも操作性に不満を抱いているユーザーは少ないですし、TVerやParavi、TELASAなんかの国内向けのVODにも幅広く対応しているので、結構良いんじゃないかなと思います。逆にHisenseのVIDAAは国内向けVODが揃っていないので、TVerやParaviなどを多用する人にはあまり向かない気がします。
⑦HDR信号規格対応状況
比較項目の7つ目は「HDR信号規格対応状況」です。
HDRにはHDR10やHLGなどの方式があり、HDRのコンテンツ(映像)を楽しむには、再生する4Kテレビもそれぞれの方式に対応している必要があります。

簡単にいうと、テレビ側ではより多くのHDR信号に対応していた方が良いということになるわけですね。
各モデルの「HDR信号規格対応状況」はご覧とおりです。

対応している数は、東芝の「55Z670K」とPanasonicの「TH-49JX850」が圧倒的に多くなっています。UltraHDブルーレイなどでよく映画を観る方であれば、この2モデルが向いていると思います。
⑧同時録画番組数
続いては「同時録画番組数」を比較していきましょう。
各モデル、外付けHDDを接続すればテレビ番組の録画を行うことができますが、それぞれ搭載されているチューナー数が異なるため、同時に録画できる番組数が変わってきます。
「地上デジタル放送」「BSデジタル放送」「CSデジタル放送」「BS4K/CS4K放送」に分けて比較した表がこちらになります。

BSデジタル放送とCSデジタル放送においてはどのメーカーも2番組まで同時に録画をすることが可能となっていますが、BS4K/CS4K放送の同時録画番組数においては各モデルで多少の違いがあるようです。

BS4K/CS4K放送について絞ってみていくと、SONYの「KJ-55X80J」は3チューナー搭載しているので、2番組同時録画が可能で、東芝の「55Z670K」、Panasonicの「TH-49JX850」については2チューナー搭載なので、1番組しか録画を行うことができません。Hisenseの「65U7FG」に関しては1チューナーしか搭載されていないため、かろうじて録画はできますが、同時に他の4K放送を視聴することができなくなってしまいます。
4K放送も2番組同時録画ができる状況じゃないと不安って方はSONYの「KJ-55X80J」が良いかもしれないですね。
⑨HDMI2.1対応状況
比較項目の9つ目は「HDMI2.1対応状況」です。
PlayStation5などの次世代ゲーム機をプレイする人には気になる部分ですよね?
各モデルの「HDMI2.1対応状況」を比較したものがこちらになります。

東芝の「55Z670K」に関してはVRR、eARCに対応しており、Panasonicの「TH-49JX850」は4K/120fps、ALLM、eARCに対応、Hisenseの「65U7FG」に関してはHDMI2.1には未対応、SONYの「KJ-55X80J」はeARCにのみ対応しています。
PlayStation5などの次世代ゲーム機をプレイしたいのであれば4K/120fpsに対応している東芝の「55Z670K」とPanasonicの「TH-49JX850」が1番向いていると思います。
⑩その他便利機能
最後に「その他便利機能」を比較していきます。
今回は、クチコミなんかでも需要が高かった「2画面表示機能」「首振り機能」「スマホ連携機能」の3項目をみていきましょう。各モデルを比較したものがこちらになります。

2画面表示にはPanasonicの「TH-49JX850」とHisenseの「65U7FG」のみ対応となっており、東芝の「55Z670K」とSONYの「KJ-55X80J」は対応していません。
お掃除の際に便利な首振り機能には、東芝の「55Z670K」とHisenseの「65U7FG」が対応しており、Panasonicの「TH-49JX850」とSONYの「KJ-55X80J」は対応していません。
スマホ連携機能には、東芝の「55Z670K」では「Chromecastビルトイン」に、Panasonicの「TH-49JX850」では独自アプリの「TVシェア」に、SONYの「KJ-55X80J」では「Chromecastビルトイン」と「Airplay2」に対応していません。4モデルの中でHisenseの「65U7FG」だけスマホ連携機能には対応していないという結果になりました。
ここまで10項目について比較を行ってきましたが、それをまとめたものがこちらになります。

以上の結果を踏まえて、どのモデルがどんな人に向いているのかを簡単にまとめてみました。

画質・音質にこだわりたい、Netflixはあまり観ないよって方は東芝の「55Z670K」、全てにおいて平均以上のスペックが欲しい、PlayStation5などの次世代ゲーム機をプレイしたいという方にはPanasonicの「TH-49JX850」、とにかく大きなテレビが欲しい、画質以外は最低限の機能で十分という方にはHisenseの「65U7FG」、豊富なネット動画配信サービスをキレイな画質で見たいという人にはSONYの「KJ-55X80J」をおすすめします。
個人的には、この価格帯で限定するのであれば、東芝の「55Z670K」かPanasonicの「TH-49JX850」をより強くおすすめしますけど、皆さんはどう思いますか?
まとめ
というわけで今回は10万円から12万円までのいわゆる中価格帯モデルについて徹底比較をしてきました。皆さんのテレビ選びの参考になったでしょうか?
今後も最上位モデルだけでなく、こういった中価格帯モデルや低価格帯モデルに対しても比較を行っていこうと考えています。
それではまた次の記事でお会いしましょう。
ガジェットジェットのゆっけいでした!