近年ではPM2.5や花粉対策はもちろんのこと、感染症対策のために空気清浄機を導入する一般家庭も増えてきているのではないでしょうか?
そんな中、「空気清浄機って何に効果あるの?」「新型コロナウイルスに空気清浄機って効くの?」というような疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか?
そんな方に向けて、今回は空気清浄機に期待できる効果から空気清浄機が新型コロナウイルスに効果があるのかまで、調べに調べたうえで、皆さんにわかりやすいように徹底解説しています!
空気清浄機を購入したいと考えている人は、ぜひ最後までご覧ください!
空気清浄機に期待できる効果
空気清浄機に期待できる効果は以下の5つがあります。
ポイント
- ハウスダストの除去
- ウイルスの除去
- 花粉の除去
- 微小粒子状物質(PM2.5)の除去
- 臭いの抑制
ハウスダストの除去
ハウスダストは、家庭内のチリやホコリの中でも1mm以下の肉眼で見えないほど小さな物質のことをいい、そこにはダニの死骸や糞なども含まれます。このハウスダストによるアレルギー罹患率は花粉症罹患率よりも多いといわれています。
その理由には、ハウスダストと花粉の発生時期に大きな関わりがあります。花粉の発生時期は季節性であるのにも関わらず、ハウスダストは1年間を通じて常時発生する通年性であることが以下の表からも分かると思います。
花粉症などのアレルギー性鼻炎発症メカニズムは以下のようになっています。
花粉やハウスダストなどのアレルゲン(抗原)との出会いが多くなればなるほど、ヒスタミンなどのアレルギー誘発物質を多く放出することになります。そのため、通年性であるハウスダストの方が季節性の花粉よりも侵入する確率が高く罹患率も高いというわけです。
また、通年性ということもあり、ハウスダストに対して何かしらの対策をとらなければ、365日ずっとアレルギー性鼻炎等に悩まされてしまうことになってしまいます。
そのためハウスダストを効率よく除去してくれる空気清浄機の設置が効果的といえます。
ウイルスの除去
ウイルスは有害物質の中でもかなり小さく細菌や微生物を観察するために用いられる光学顕微鏡でも見ることができないほどです。有害物質の大きさはご覧のようになっています。
物質 | 大きさ |
---|---|
花粉 | 30~40μm |
ハウスダスト | 10~40μm |
黄砂 | 4μm程度 |
カビ | 2~100μm |
PM2.5 | 1.2~2.5μm |
細菌 | 1~10μm |
ウイルス | 10~500nm(0.01~0.5μm) |
ウイルスの小ささは表を見てより理解できたかと思います。
空気清浄機では、室内の空気を強制的に吸い込み、ハウスダストや花粉などの微粒子を集塵(しゅうじん)フィルターにて絡めとることにより、残りのきれいな空気だけを排出するファン方式を主流としています。
ただ、どんなに優秀な集塵フィルターでも「0.1~2.5μmの微粒子を99%程度除去する」としか記載されておらず、0.1μm以下のウイルスは集塵フィルターによってろ過できるかは保証されていないということになります。
フィルター以外のウイルス除去方法
ウイルスを除去する手段は、なにもフィルターだけとは限りません。
主要メーカーではウイルスを抑制・除去させるための独自技術を空気清浄機に搭載しています。ウイルスの抑制・除去効果に期待ができる技術を搭載しているメーカーおよび技術名はご覧のようなものがあります。
ポイント
- ダイキン
- ストリーマ技術
- SHARP
- プラズマクラスター技術
- Panasonic
- ナノイー技術
今回はPanasonicのナノイー技術を例に挙げて説明します。
ナノイーとは空気中の水分子に高電圧をかけることで生成される微粒子イオンのことをいい、様々な物質に作用しやすいOHラジカル(高反応成分)を含んでいます。
そのOHラジカルがウイルスにのタンパク質を変性させることでウイルスを不活性化することができます。
このように、集塵フィルターで除去し損ねたウイルスに対しても、これら各メーカー独自の技術を搭載することにより、ウイルスを効果的に抑制・除去できます。
花粉の除去
毎年多くの人を困らせる花粉症を発生させる花粉は、日本だけでも約60種類存在するといわれています。
また、以下の表からも分かる通り、季節によって飛散する花粉の種類は異なり、アレルギー誘発物質も人によって様々です。
花粉粒子の大きさは30~40μmと黄砂の約10倍と比較的大きく、おおよその花粉は空気清浄機の集塵フィルターにて絡めとり、除去することが可能となっています。
そのうえ、一部メーカーの空気清浄機には「花粉撃退運転」などの機能が搭載されており、高精度センサーで空気中の花粉粒子や人の動きを監視することで、空気清浄機の風量や気流の流れをかえることで花粉が地面に落ちる前に積極集塵してくれたりします。
毎年、花粉にお悩みの方は花粉除去に優れた空気清浄機の設置が効果的です。
微小粒子状物質(PM2.5)の除去
微小粒子状物質(PM2.5)とは自動車や工場、航空機から排出される煤煙(ばいえん)や粉塵(ふんじん)、硫黄酸化物など大気汚染の原因となる粒子状の物質のことをいい、1つ1つの粒子の大きさは2.5μmとされています。
このPM2.5は非常に粒子が小さいことから、肺の奥深くまで入り込みやすく、ぜんそくや気管支炎など呼吸器系疾患や循環器系疾患の発症リスクが上昇するとして、少し前から騒がれるようになってきました。
この微小粒子状物質(PM2.5)も、ほとんどの空気清浄機(集塵フィルター)で除去することが可能です。
危険性の高いといわれている呼吸器・循環器系の疾患を持っている人やお年寄り、子どもがいる家庭には空気清浄機を設置することをおすすめします。
臭いの抑制
細菌の空気清浄機では臭いの抑制もしてくれます。
大半の空気清浄機には集塵フィルターのほかに活性炭を用いた脱臭フィルターも搭載しており、料理臭や生ごみ臭などの生活臭から加齢臭やペット臭などの嫌な臭いを抑制してくれます。
ただ、こちらの脱臭フィルターだけでは、アンモニア臭やペット臭などのこびりついた臭いの完全除去は難しいようなので、脱臭を目的として使用される方は専用の脱臭機を使用することをおすすめします。
空気清浄機の選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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【2021年最新】空気清浄機の選び方とコロナ対策にもおすすめのメーカーを大公開!~ダイキン・SHARP・Panasonic・アイリスオーヤマ~
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コロナウイルスに対する効果
近年、新型コロナウイルス拡大により空気清浄機の需要がかなり拡大してきています。
ですが、皆さんの中には「空気清浄機って新型コロナウイルスに効果あるの?」と疑問を抱いている方も少なくはないのでしょうか?
今回はそんな疑問を抱いてる方のために論文や各メーカーのIRなどを調べて調べて調べまくりました!
この章ではその結果を皆さんにわかりやすく解説していこうと思います。
コロナウイルスに効果はあるのか?
まずは「空気清浄機が新型コロナウイルスに効果があるのか」についての結論を述べたいと思います。
一部の空気清浄機であれば新型コロナウイルスにも一定の効果を期待できる
という結論となりました。
というのも、各メーカー、空気清浄機に関する論文を調べつくしましたが、空気清浄機が新型コロナウイルスに100%効果があると謳っている文献は見当たらなかったからです。
ですが、100%とは言わないものの新型コロナウイルスに一定の抑制効果を実証したメーカーが3社あります。それが、前述の「ウイルスの除去」でも取り上げたご覧の3社・3技術です。
ポイント
- ダイキン
- ストリーマ技術
- SHARP
- プラズマクラスター技術
- Panasonic
- ナノイー技術
これらは技術としての検証結果であるため、空気清浄機単体としての効果は検証されていません。あくまでもこれらの技術を搭載している空気清浄機が各メーカーから販売されているのみとなります。
ダイキン
ダイキン工業では2020年7月16日に独自技術であるストリーマ技術により新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を3時間で99.9%以上を不活性化させる効果があることを発表しました。
この実験では新型コロナウイルスにストリーマを1時間照射することにより93.6、3時間照射させることにより99.9%以上不活性化させることが実証されました。
ダイキンのストリーマ技術ではこれまでにも新型インフルエンザウイルス(A型H1N1型)やマウスノロウイルスなど、様々なウイルスに効果があることを実証されています。
空気清浄機におけるストリーマ技術
ダイキンの空気清浄機にも新型コロナウイルス抑制効果が実証されたストリーマ技術が搭載されています。
空気清浄機には、どのようにしてストリーマ技術が用いられているのでしょうか?
ダイキン工業の空気清浄機にはストリーマユニットが内蔵されており、空気中のウイルスを吸い取ったうえでフィルターに絡みついたウイルスへ直接ストリーマを照射することでウイルスを分解・除去してくれるという仕組みです。
また、ストリーマユニットにより発生するプラズマイオンを空気中に放出するため、空気中に漂うウイルスにも直接作用してくれます。
このように、ダイキン工業のストリーマ技術はフィルターに絡みついたウイルス、空気中に漂うウイルスのどちらにも対応可能なダブル方式をとっています。
ダブル方式でウイルスに直接作用するなんて凄いよね!
SHARP
SHARPでは2020年9月7日に独自技術であるプラズマクラスター技術により空気中に浮遊する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を30秒間で感染価が90%以上減少させる効果があることを発表しました。
この実験では、試験装置内に噴霧した新型コロナウイルス液にプラズマクラスターイオンを照射し、回収したウイルス液をプラーク法にて培養、プラズマクラスターイオンを照射していない時としている時の比較を行っています。
結果、約30秒間プラズマクラスターイオンを照射した時の新型コロナウイルス感染価は、照射していないときの感染価と比較して91.3%も減少していることが分かりました。
空気清浄機におけるプラズマクラスター
SHARPの空気清浄機にも新型コロナウイルス抑制効果が実証されたプラズマクラスター技術が搭載されています。
空気清浄機には、どのようにしてプラズマクラスター技術が用いられているのでしょうか?
SHARPの空気清浄機には高濃度イオンを作りだすプラズマクラスターイオン発生ユニットが搭載されています。
ユニットによって発生されたイオンを空気清浄機から放出することにより、空気中のウイルスへ直接作用してくれるという仕組みです。
これならフィルターでろ過しにくいウイルスも効率よく抑制・除去してくれそうだね!
Panasonic
Panasonicでは2020年7月31日に独自技術であるナノイー技術により新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を3時間で99.9%抑制させる効果があることを発表しました。
この実験では、45Lの試験空間で新型コロナウイルス液を滴下したガーゼをシャーレに設置したのち、3時間、帯電微粒子水(ナノイー)を曝露した時と曝露していない時の比較を行っています。
結果、帯電微粒子水(ナノイー)を3時間した時の新型コロナウイルス感染価は、曝露していないときの感染価と比較して99.7~99.9%も減少していることが分かりました。
ただ、こちらのニュースリリースの実験方法は曖昧で、Panasonicさんにも電話で確認をとりましたが、帯電微粒子水(ナノイー)を用いた浮遊するコロナウイルスに対する実験は行っていない様子です。
空気清浄機におけるナノイー技術
Panasonicの空気清浄機にも新型コロナウイルス抑制効果が実証されたナノイー技術が搭載されています。
空気清浄機には、どのようにしてナノイー技術が用いられているのでしょうか?
Panasonicの空気清浄機にはナノイー発生装置が搭載されています。
発生装置によって発生されたナノイーを空気清浄機から放出することにより、空気中のウイルスへ直接作用してくれるという仕組みです。
ですが、SHARPのプラズマクラスターイオンとは異なり、空気中に浮遊するコロナウイルスに対しては実験を行っていないため、その効果は未知数というところが現状です。
方式はSHARPと同じだけど、浮遊するコロナウイルスに対してどのくらい作用するのかは未知数だね…。
まとめ
今回は空気清浄機に期待できる効果から空気清浄機が新型コロナウイルスに効果があるのかまで、調べに調べたうえで、皆さんにわかりやすいように徹底解説してきました。
最後にこの記事のまとめとしてコロナウイルス抑制効果に期待できる製品を紹介して終わりたいと思います。
2位:Panasonic F-VXT90
Panasonicの独自技術であるナノイーのOHラジカル量が約10倍になっている「ナノイーX」が採用されている空気清浄機となります。
そのため、空気中により多くのOHラジカルを放出することで効率よくウイルスを抑制することが可能となっています。
2位:SHARP KI-NP100
SHARPの独自技術であるプラズマクラスターイオンのイオン濃度を50,000個/cm³まで高密度にしたプラズマクラスターNEXTを採用した空気清浄機となります。
また、プラズマクラスターイオンをより広範囲にいきわたらせるネイチャーテクノロジーも採用しているので、空気中に漂うウイルスを効率よく抑制することが可能となっています。
1位:ダイキン ACZ70X-T
ダイキンの独自技術であるストリーマの照射量が従来の2倍になったツインストリーマが採用されている空気清浄機になります。
フィルターで取ったウイルスを効率よく分解除去することが可能であるうえに、プラズマイオンも放出することで、空気中に漂うウイルスに対してもダブルで対応できるため、現時点ではコロナウイルス対策に最も効果的な空気清浄機といえるでしょう。
みなさんも空気清浄機でコロナ対策しよう!
それではまた次の記事で!
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【2021年最新】空気清浄機の選び方とコロナ対策にもおすすめのメーカーを大公開!~ダイキン・SHARP・Panasonic・アイリスオーヤマ~
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